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「ソニー最後の異端」を読んで [日記]


ソニー最後の異端―近藤哲二郎とA3研究所 (講談社文庫 た 64-4)

ソニー最後の異端―近藤哲二郎とA3研究所 (講談社文庫 た 64-4)

  • 作者: 立石 泰則
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/05/15
  • メディア: 文庫



自分は今現在、とある企業の研究部門にいて、ある課のマネージャをやっている。
研究者をマネージメントするという立場で、また、一研究者としてこの本を読んで、いかに研究部門のマネージメントが難しいかを改めて考えされられた。

最近は、短期的な成果を求めるあまり、非常に浅い研究が行われているように思える。近藤さん曰く、他社を差別化できる本当の技術は10年かかる。そして、各研究者が自分のテーマを一から設定できるようになるには20年かかる。
つまり企業は、この20年という期間我慢できる懐の深さが必要になる。

これは本当に難しいことだ。20年間会社を信用させ続けるためには、誰もが欲しいと思え、かつ、実現が困難な問題設定が必要になる。そんな研究テーマに巡り合えるチャンスというのはそうそう巡り合えるものではない。また、仮に巡り合えたとしても、長年成果が出ない研究を継続できるだけのモチベーションを研究者自身が維持できるかという問題もある。

モチベーションは単に、学術的な興味だけでなく、恐らくは成果が出ないことに対する評価の低さなどから、周囲の批判、他人の出世などに惑わされず、自分を信じて続けられるかということが重要だと思う。

一方、マネージメントサイド、つまりは会社として、20年間その研究に投資ができるのか?というとこれも難しい。

ただ、結局会社というのは人の集団であり、評価するのも、投資を決めるのも結局は人。
だから、最後は、その人を信用するしかない。

会社の懐の深さというのは、結局は懐の深い人がどれだけ、経営者に多いかで決まるように思える。
その意味で、この本では、最近のソニーが昔と違って、「普通の会社」になっているのを危惧している。

自分の会社で考えてみると、自分が入社した当時は、「異端」と呼ばれても良いような型破りな人はいっぱいいた。それで、今を見てみると、そうゆう型破りな人が考えたものが会社にとって重要な技術となっている。

これから、自分は真に必要な技術かどうかの見極めと、それを実行してくれる研究者を正当に評価できるか、それが問題だ。
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